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浜のり子「新・通貨戦争」

円は値打ちをより下げたほうがいい。各国とも自国通貨の切り下げ競争、通貨戦争を発動している。見えない戦争だ。
円、ユーロ、ドルを分析し、なかなか相互に助け合う国際通貨秩序が出来ないことを概観できる。隠れ基軸通貨と見られる”円”の夜郎自大な動きは世界のかく乱原因となりかねない。ましてやウクライナ事態でロシア包囲をした欧米だが、ユーロ危機は収まったわけではない。プーチンは国民的人気でクリミア併合が出来ると踏んだだけではなく、ECユーロ圏の崩れを見透かしているのではないか。この本はウクライナ以前に書かれたものである。

朝日新書版
アベノミクスに関することのみ、抜粋する。

日銀総裁は異次元の量的緩和をやると豪語し今年末までに2%のインフレ実現を目標にしている。
白川前総裁時代の方針によれば08年~14年の日銀保有資産はGDP比21%に増える見込みだった。これがチーム・アベの元では40%に達する。
ちなみにこの同じ期間のアメリカFRBの資産増はGDP比17%。世界にドルをばら撒いたFRBよりも、白川時代でさえ量的緩和をしていたのである。40%なんてのはインフレ実現というよりも、財政破綻を日銀が背負うということではないか。そう疑われたとき国債暴落がおきるもの。

「誰がために鐘はなる」の作家アーネスト・へミングウエーが以下のことを言っているそうな。
「通貨を膨張させるというやり方は、下手くそな国家経営者が第1番目に飛びつくニセ万能薬だ。二番目が戦争である。この両者は、いずれも、つかの間の繁栄をもたらす。そして、永遠の崩壊につながる。ところが、この両者こそ、政治経済的人気取り人間どもの駆け込み寺である」

安倍首相は円安・輸出拡大・デフレからインフレへという、かたや尖閣や戦前の軍国主義問題で中韓と緊張状態を作っている。集団的自衛権も解釈改憲でいける・・・・・これらがムードに弱い国民にはとても気に入られている。へミングウエーの言うとおりである。

浜によると、日銀はGDP40%にまで膨らませた資産をどのタイミングでどうやって減らすのか。これが至難の業だが、黒田さんに出口戦略なんて果たして知恵があるの

クロッカスは陽が上がらないと咲かない。夕方はしぼむ。秋に植えた球根だ。
クロッカス

3日間寝たり起きたりして過ごした。何ともすっきりしない風邪だ。
ウクライナ事態が核戦争の危機にならなければいいがと、寝ながら考えた。欧米とロしアは「こっちの方が甘いぞ」と引っ張り合い。本のちょっとした読みの間違いでここまできた。ロシアが悪いですむ問題ではない。ユーゴ崩壊や現在のシリアのような内戦になったら、悲惨だ。核戦争の危機にも発展する。ぐちゃぐちゃになった糸を解くために、各方面の話し合いを期待する。


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コメント

浜のり子さんは、鉄の女だ!

浜さん程、歯に衣を着せない学者は居ない。一ツ橋大学を卒業し、三菱総研で、英国オフィスのトップから、同志社大学の教授になられた。彼女、曰く、安倍の「アホノミクス」と。いつも溜飲が下がる思いをする。TBS日曜日、朝6時、時事放談に時々、出演されている。月、一回毎日新聞にコメントを書かれている。インターナショナルな彼女の活躍をこれからも期待している。皆さん、ご注目を!

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