私よりずっとずっと、お年寄り

金時鐘「朝鮮と日本に生きる」、副題が済州島から猪飼野へ(岩波新書)・・・・・・2015年の大仏次郎賞を受賞。一気に読んだ。
1929年済州島で生まれた。日本敗戦で訪れた朝鮮の解放は、東西冷戦で朝鮮戦争勃発、泡の藻屑となった。その前哨戦というか、分断に反対し韓国では激烈な民衆の戦いがあり、とりわけ済州島では武装ほう起した。30万島民のうち5万が殺されたというが、あまりにひどいことが繰り広げられたため、ずっと生者も押し黙っていた。最近になってようやく事件が韓国でも明らかにされるようになった。
密航船で日本にわたった金石範が、「火山島」などで書いている。

著者は、当時党員として活動し、殺されずに日本に密入国した。親の死に目には当然あえなかった。この本は60年余前の体験を中心に80年を振り返っている。運良く生きてこれたものである。体験を語るにはあまりに厳しすぎた。詩人が吐露するには、これだけの時間が必要であったのであろう。

二輪草
裏高尾で、二輪草の群落

篠原さん、88歳
昨日、篠原さんと赤羽で飲んだ。海員組合の現場船員の団体である部員協会の事務局を長いことやってこられた。組合内の反幹部闘争、野島崎沖で大きな鉄鋼船が溶接不良で沈没したぼりばー丸裁判、竹中解雇、そしてなだしお裁判などと船員に関わる運動を縁の下で支えてきた。私とは竹中裁判やなだしおで一緒にやった。
彼は信州からの満蒙開拓団。88歳。
敗戦間際、関東軍がいなくなり中学生もにわか兵士にされた。そしてシベリア抑留2年間。帰国して船に乗ったら朝鮮戦争で逃げる米軍人を回収するLCT・・・・・・飛んでもない経験をしているんい淡々としゃべる。

最近、海員組合は前組合長を除名したり、職員解雇などと組織がごたごたしている。訴訟ではほとんどすべて不当な処分と組合側が負けている。「現場を知らない高専卒のプロパー職員が役員を占めている。彼らは現場の経験がない」、労働組合をやってはいけない輩がやっているからしょうがない、とあきれていた。

彼は、ライフワークとして満蒙開拓犠牲者追悼や開拓地への定期訪問や防風林植樹などを続けている。
5月の末に満州北辺を訪問する、「これが最後かな」という。
この機会を逃がしたらなかなか中国の最北部にはいけない。私も同行できるかなといったら可能とのことなので、たぶん行くことになるだろう。
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和田 伸夫

Author:和田 伸夫
全石油ゼネラル石油労働組合の事務局長をしています。
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